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企業の環境および社会問題への取り組みは着実に進展、さらなる発展に期待

更新日:2011/06/07

(2011年6月7日、ニューヨーク)-責任あるビジネスプラクティスの実践は、会社規模の影響するところが最も大きい。世界のビジネスが環境問題に対する取組みにおいてかなり進歩してきたように見える一方で、人権および腐敗防止の分野ではその多くが苦戦している。

これは、企業のサステナビリティパフォーマンスの状況に関する最も包括的なグローバル調査の一つである、国連グローバル・コンパクト(以下 UNGCと記す)最新実施調査の調査結果です。調査は、国連の企業責任イニシアチブに参加する1,200を超える企業に対し匿名で行われ、本日国連本部で公表された2010年UNGCアニュアルレビューの基礎資料となっています。

主な調査結果

  • 上場企業を含む大企業は、UNGCが課題とするすべての分野(人権、労働、環境、腐敗防止)において、中小企業よりも高いレベルで取り組んでおり、持続可能性プログラムの進展には、より多くの資金的および人的資源の投入が必要であることを指摘しています。
  • 企業の業績と持続可能性に関する問題との関連性の高まりを反映して、全回答のうち70%超が方針と戦略策定への最高経営責任者の積極的な関与を示し、また全上場企業のうち60%近くが、取締役会の積極的な関与があることを報告しています。
  • 調査対象企業の多くが差別禁止および機会均等に関して方針を有していると回答しており、これは企業の規模やセクターにかかわらず共通して取り組まれている数少ない問題です。しかし、人権の影響の評価を行っているとの回答は全回答の20%未満、腐敗防止に取組んでいるという回答は全回答の30%未満で、これは中小企業と大企業との間で大きな差があります。
  • 多くの企業が、持続可能性に関する原則をサプライチェーンでも実践することは企業責任を真に果たすために重要であると考え、65%の企業がサプライヤーに対して何らかの対策を講じていると回答し、12%の企業がサプライヤーにUNGCへの参加を求めています。
  • 同様に、79%の企業がUNGCの原則を尊重するように子会社にも伝えており、半数近い(44%)企業では子会社レベルでの持続可能性に関する役割を設けています。
  • 企業は、ますます国連の開発目標の推進における民間セクターの役割を認識するようになってきています。回答した企業のうち半数以上(56%)が、グローバルまたは地域レベルで何らかの官民連携パートナーシップを組んでいると回答しています。持続可能性のある市場拡大へのビジネスの関与という、より大きなトレンドを反映して、全回答企業の42%が国連の優先課題に貢献できる製品・サービスを開発している、あるいはビジネスモデルを策定していると述べています。

UNGC Georg Kell事務所長 は「持続可能性に向けた動きは近年大きな進歩を見せていますが、重要な課題が残っています。」と語ります。「企業責任の動きの規模拡大には、小規模の企業のパフォーマンスにおけるギャップを埋める支援をし、すべての分野でコレクティブ・アクションを採るように奨励し、また人権と腐敗防止のエンゲージメントに関してより強力な事例を作ることが重要になるのです。」

全体として、2010年においてUNGCは成長し続け、現在、企業が6,000超、企業以外で約3,000の参加があります。イニシアチブに参加する企業の半数以上は、中小企業です。参加団体数の最も多かった国は、フランス、スペイン、米国、ブラジルです。

国連グローバルコンパクト(UNGC)について

2000年に始まったUNGCは、世界の企業に対しその戦略や運営を人権、労働、環境、腐敗防止の分野の普遍的な10原則に整合させ、国連の幅広い目標を支援するような行動を取るよう呼びかけるものです。企業責任の方針および慣行を制定、実践、開示することで、ビジネスはあらゆる地域において経済と社会に利益をもたらす方法で市場の発展を支援することができます。135を超える国から6,000以上の企業が参加する、世界最大の企業の社会的責任のイニシアチブです。www.unglobalcompact.org

UNGC実施調査について

2008年に始まったUNGC実施調査は、世界中のUNGCの参加者に対し毎年匿名で行うオンライン調査で、環境問題および社会問題に関する実施状況を評価し、企業の持続可能性の問題についてトレンドと進捗状況を明らかにするものです。2010年の調査は、グローバル・コンパクトに参加する6,000を超える企業に各国語で送付され、2010年11月から12月にかけて実施されました。調査はペンシルベニア大学ウォートン・スクールのMBAおよび博士課程の学生チームにより実施、分析が行われました。

調査は103ヶ国から1,251件の回答があり、回答率は20%超となっています。2010年の調査は、全体として、特に企業がイニシアチブに参加した地域と年度という点において、グローバル・コンパクトの参加団体基盤を代表するものとなっています。

2010年UNGCアニュアルレビューについて

2010年のアニュアルレビューは、より高いレベルのサステナビリティパフォーマンス達成モデルとして、企業の持続可能性リーダーシップに関するUNGCのブループリントの3つの側面を念頭に置いて実施されました。このレビューでは、参加企業の10原則の実施;国連の掲げる様々な目標と課題の支援行動;UNGCへの地域および全世界での関与についてその方法と程度を検討しています。レビューの中心的内容は、2010年のUNGC実施状況調査で見出された事項です。

さらにアニュアルレビューでは、UNGCの成長、戦略および運営上の優先事項、ガバナンスおよび資金面について最新状況を詳しく説明しています。

メディア連絡先

Matthias Stausberg(マシアス・ストースバーグ)
広報担当
stausberg@un.org
+1-917-367-3423

編集者への注記

国連グローバル・コンパクトでは「企業の持続可能性」と「企業責任」という用語を同義で用い、企業がグローバル・コンパクトの10原則のすべてをカバーする金融、社会、環境、倫理の面での長期的な価値を達成すること、と定義しています。

2010年グローバルコンパクト実施調査

主な調査結果

調査・手法について

2008年に始まったグローバルコンパクト実施調査は、世界中のグローバルコンパクトの参加者に対して、毎年無記名で行うオンライン調査で、環境問題および社会問題に関する対応状況を評価し、企業の持続性の問題についてトレンドと取組みの状況を明らかにするものです。2010年の調査は、グローバルコンパクトに参加する6,000を超える企業に送付され、2010年11月から12月にかけて実施されました。調査はペンシルベニア大学ウォートン・スクールのMBAおよび博士課程の学生チームにより実施、分析が行われました。
調査は103ヶ国から1,251件の回答があり、回答率は20%超となっています。2010年の調査は、特に企業がイニシアチブに参加した地域と年度という点において、グローバルコンパクトの母集団全体を代表するものとなっています。

多様な達成状況
  • 年次調査から持続性への様々な取組み状況が明らかになり、参加企業の企業責任に向けた努力は、策定段階から高度に洗練された段階まで、全段階に分布しています。
  • グローバルコンパクト参加企業のほぼ4分の3は、自社の取組み状況を、始めたばかりないし中程度と位置付け、持続性への取組みが進んでいるとした企業は4分の1に過ぎません。
  • 大企業および上場企業は、すべての課題について自社の取組みの状況を高く評価しています。
  • どの規模の企業でも、環境と労働について人権や腐敗防止よりもずっと頻繁に対処しています。これはこれまでの各年の年次調査でも明らかになっている結果です。
  • 最近参加した企業は、グローバルコンパクトへの参加歴の長い企業よりも、達成状況が低く評定されています。また分析から、2009年にグローバルコンパクトに参加した企業を、方針の採用と実践について2009年と2010年をすべての分野において比較すると、前向きな動きであることが明らかになっています。
グローバルコンパクトの影響

2009年と対比して、比率的にかなり多くの企業で、グローバルコンパクトは自社の企業責任努力に対してプラスの影響を与えていると回答しています。
- グローバルコンパクトに関わることにより、79%の企業で少なくともある程度の影響があったとしています。これは2009年より12%増えています。
- 35%の企業は、グローバルコンパクトへの参加が企業責任の方針と慣行を推進するのに役立つあるいは不可欠であると回答し、これは2009年より9%増えています。
- どの規模の企業においても2010年に影響が大きくなったと回答しています。

2009年と2010年の比較
  • 2010年の人権と労働の分野での実施状況は2009年のデータと同様でした。
  • 環境原則の推進の方針と行動が大きく増加しました。
    - 環境方針の実施は増加しており、特にトリプルボトムライン(+5%)、生産(+5%)、持続的消費(+11%)に関するものが増加しています。中小企業ではほとんどの方針分野でプラスと回答し、生産(+11%)と消費(+18%)にリンクする分野で顕著です。
    - どの規模の企業も持続的消費の方針を実施していると回答していますが、それが環境方針として最も一般的なもので全体の71%となっています。
    - 企業は、環境対策、特にマネジメントシステム(+15%)、ライフサイクル調査(+6%)、温室ガス排出レポート(+5%)での分野での対策を強化していると回答しています。
  • 腐敗防止の分野では、方針と実践において2009年の低下からの回復がありました。
    - 進展が見られたのはすべての規模の企業においてであり、明確な方針もしくは全体を包括するような企業行動規範の中で腐敗防止の方針を設け、またその方針を遂行しなければならない、というものです。
    - 2010年には腐敗防止対策として、マネジメントシステム(+6%)、トレーニングおよび意識の向上(+6%)、腐敗防止方針の公開(+4%)、汚職を匿名で通報するホットライン(+3%)の分野で増えています。
  • 2009年から2010年にかけて、基本的課題の部分での実践率の低下はありませんが、会社の規模と所有の形態別で見ると成果の差が出ています。
会社の規模と所有の形態
  • パフォーマンスの状況については、あらゆる面で小企業と大企業との間に大きな開きがあります。たとえば以下の通りです。
    - 全体的服務規程への人権原則の取込みに関して、大企業(従業員50,000人超)では89%が取り込んでいるとしていますが、中小企業では56%に留まっています。
    - 腐敗防止対策は、匿名ホットライン(9%対68%)、腐敗事例の記録(12%対57%)、腐敗防止のマネジメントシステム(23%対65%)などの分野において、中小企業と大企業とで大きく異なっています。
  • 事例は多くありませんが、規模にかかわらずどの企業も、差別禁止と機会均等方針の実践率が高くなっています。そのほか、どの企業も人権の影響調査、および便宜支払や腐敗事例の記録の実践に苦労しています。一般に会社の規模により実践状況には大きな開きがありますが、これらは例外事例です。
  • グローバルコンパクトでは、上場企業、非上場企業、国営企業の間でパフォーマンスの状況が明らかに違うことに気付いています。全体として、上場企業、国営企業、非上場企業の順番になっています。たとえば以下の通りです。
    - 上場企業は、非上場企業の2倍、腐敗防止の努力をモニターし公開しています。
    - 企業全体の26%に比べて、上場企業の40%が人権方針を別に定めています。
    - 上場企業および国営企業は、非上場企業よりも明らかに高率で、制度の枠組みと団体交渉権があると回答しています。
方針と行動の詳細

[方針]

  • 調査企業のおよそ3分の2は、グローバルコンパクトが課題とする各分野について少なくとも1つは方針を定めていると回答しています。環境と労働については、より多くの方針と高い率でのカバーが見られます。
  • 参加企業のうち80%超が差別禁止および機会均等の労働方針を実践していると回答し、65%超が目標と指標、生産、持続的な消費などの分野で、環境に関する方針があると回答しています。
  • 約70%の企業が、人権と腐敗防止に関して全体の企業行動規範で言及していると回答しています。それらについて具体的に方針を設けている企業はかなり少なくなります。26%の企業は、人権に関して明確な方針があるとしています。腐敗防止に関しては、少数の企業が贈答品の金額制限(38%)、チャリティー組織への寄付(32%)、政治献金の公表(10%)に関する方針を設けています。

[行動]

  • 約60%の企業が、環境および労働について行動を起こしていると回答していますが、人権と腐敗防止についてはかなり少なくなっています。
  • 従業員のトレーニングと意識向上は、すべての課題の中で最も一般的に実践されています。
  • 企業は特定の問題についての方針や慣行を開示するのと同様に、自らの実践の状況をモニターし評価する必要があります。人権は最も実践のされていない課題で、モニターや開示の慣行があるとした企業は25%未満で、腐敗防止はやや多い30%となっています。労働および環境の分野のモニターと開示は高く、それぞれ約40%および50%です。
  • 調査で、多くの利害関係者と対話をすると回答した企業は少なく、各分野で30%以下でした。これは2009年と2008年の調査結果と同様です。
取締役会
  • 47%の企業では取締役会が企業の社会的責任に関する戦略や取り組みを企画し評価していると回答し、持続性小委員会への責任委任や一般公表の承認などの具体的な行動についても同様の数字となっています。
  • 上場企業のおよそ60%は、取締役会が持続性小委員会を任命し報告を承認すると回答しているのに対し、非上場企業の比率は40%です。これらの行動を会社の規模で見ると開きは大きくなり、およそ70%の大企業に対し、中小企業では30%になっています。
子会社のエンゲージメント
  • 79%の企業では、グローバルコンパクトへの取組みを子会社にも普及しようと相応の努力をしていると述べています。28%は子会社にその原則の実施と進捗状況のチェックを求めています。このような調査結果は2009年と2008年の調査結果と同じです。会社規模や所有形態が子会社の積極的な関与度に大きく影響しているということはありません。
  • グローバルコンパクトへの取組みを子会社にも求めている企業のうちで、半数近くは子会社に企業の社会的責任担当を置いており(44%)、また親会社への報告(45%)により子会社の行動を評価しています。
サプライチェーン
  • 企業の多く(65%)はサプライチェーンでも持続性の原則を順守すべきと考え、12%は、サプライヤーに対しパートナーとして選定する要件としてグローバルコンパクトへの参加を課しています。この数字は会社規模に比例して大きくなっています。従業員50,000人以上の企業ではその26%が、サプライヤーにグローバルコンパクトの原則を実践するよう求めています。
  • かなりの割合の企業(18%)がサプライヤーに関して持続性の問題を考慮しないと回答しています。企業にとってサプライチェーンの持続性は優先事項ではないというのが主な理由で、それに次ぐ理由はその原則をどのように購買活動に取り込んでいく方法がわからないというものです。
  • 企業には、サプライヤーがグローバルコンパクトの原則に従うのを支援するよう圧力がかかっており、ごく一部で、サプライヤーの目的設定支援、トレーニングの提供、持続性の目的を達成したサプライヤーへの褒賞などの行動をしているところがあります。
  • 改善の特に難しい分野で、改善策を検討しているのは14%の企業にすぎず、サプライヤーが必要な改善をしたかどうかの検証しているのは9%に止まります。この数値は大企業を見るとごくわずか上昇します。
国連の目標と課題をより幅広く推進する行動
  • 76%の企業で国連の目標と課題を幅広く推進する行動を取っていると述べ、そのうち環境の持続性と教育が目標分野として最も多く挙げられています。
  • 行動している企業のうちの多くが、コアビジネス、社会投資、意見広告を戦略に用いていると回答しています。
  • 全回答企業のうち56%はパートナープロジェクトを行っていて、最も多いのは地域レベルでのNGO、企業、大学、政府との協力です。
  • 大小の企業はいずれもコアビジネスの戦略を調整し、国連の目的を支持することを公にしています。これは会社の規模により業績に相違があることを考えれば、顕著な事象です。成長する持続可能な市場の活用という大きなトレンドを受けて、全回答企業の42%近くが国連の優先課題に貢献するような製品・サービスを開発し、ビジネスモデルを策定していると述べています。