グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

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ニュース 2021年

GCNJニューズレター第88号発行

更新日:

★Newsletter December 2020★

皆さま、新年あけましておめでとうございます。旧年中は、大変お世話になりました。本年もご支援ご協力賜れますと、幸いです。何卒宜しくお願いいたします。 年始号となる本号では、GCNJ代表理事、業務執行理事による年始のご挨拶のほか、1/20に開催されるPRIとの共催セミナーの開催案内や、会費テーブル改訂のお知らせ、開催報告をお届けします。どうぞ最後までご覧ください。(GCNJ事務局 庄司)

GCNJ から年始のご挨拶

有馬代表理事より

皆様、あけましておめでとうございます。コロナ禍の中、静かな新年をお迎えになられたことと思います。昨年は、世界の全ての人々にとって苦難の 1 年でしたが、日本においては二つの大きな変化が芽生えました。一つは「はたらきかたの劇的な変化」、そして「2050 年の CO2 排出ネットゼロ宣言」です。テレワークは、働き方を変えると同時に CO2 排出抑制にも大きな効果があり、私は日本の企業社会に定着させたいと思いますが、「テレワークで生産性が上がった」「家族との時間が増えた」などポジティブな反応の一方、「コロナのせいで仕方なくやっている」「意欲や生産性が低下した」などの声もあります。私は長年テレワークに関心を持っており、少し私見を述べてみたいと思います。

テレワークは単に「ネットで繋いだ在宅勤務」ではない、一人ひとりが自立する仕組みへと進化させることが必要です。昨今「ジョブ型雇用」が企業に広がり始めています。ジョブ・ディスクリプションで職務を規定し、自立的に仕事をする仕組みのことですが、その導入と運用は簡単ではない。担当する職務分野の課題や問題点、方向性などを組織で共有して PDCA をまわすマネジメントプロセスや、合意した目標に対する、透明性と納得性のある評価や人事報酬制度とのリンクも必要です。言わば、ボスが手取り足取りするマネジメント体制から、プロの集団が自律的に仕事をするマネジメント体制への脱皮と言っても良い。これは、リアルの世界でも有効ですが、個人は、高い専門性と、社会や人に関する幅広い視野が求められます。このようなはたらき方は、これからのニューノーマルの時代が求めるもの、そして、先進国で最下位の、日本のホワイトカラーの生産性を抜本的に改善する恰好の機会として、積極的に取り組むべきものと思います。

以上、私見を述べましたが、自立的な組織において、個々人の自律的な判断が組織の方向性と整合し、生産性を上げる上で不可欠なものはビジョンと理念の共有です。あらためて、UNGC10 原則を共有すること、そしてSDGs に取り組むことの重要性を強調したいと思います。2021 年は、このような大きな変化を具体的に進める年になります。新型コロナが早期に収束すること、そして 2021 年が皆様にとって良い年となりますよう祈念致します。

野村業務執行理事より

2020年はコロナに始まりコロナで終わった年でした。変異種まで加えて世界に広がる新型コロナは、年が明けても、すさまじい数の感染者と犠牲者を生み続けています。加速してきたグローバル化時代ならではの現象でしょうが、「コロナ前」と「コロナ後」で世界はどう変わるのか。国や社会にどのような変化をもたらし、人の暮らしにどんな影響を残すのか。そうした問いかけが、研究者や識者のみならず、今を生きる各国の人々の頭や心の中を駆け巡っているのではないでしょうか。

コロナの影響は、企業活動に大きな影響をもたらしました。人の移動が極端に制約されたことで運輸業界や観光業界、旅館やホテル、都市や観光地の商店街は厳しい状況に直面しています。学校教育や音楽、美術、芸能、スポーツなどまでさまざまな制約を経験してきました。ステイホームの自粛生活が長引く中で、ストレスからか、医療関係者にまで心無い言葉を投げつける人の例も報道されました。

しかし、むしろ私たちを力づけたのは、そうした苦境の中から、様々な企業が工夫をこらして踏み切ったリモートワークや弾力的な労働時間、子連れの出勤といった新しい働き方、新たな家庭生活の在り方への挑戦でしたし、なんとかリモート教育で若者の期待に応えようとする努力、リモート公演で音楽愛好家やパフォーミングアートのファンの期待に応えようとする心意気でした。

それだけではありません。医療器具やマスクなど感染防護衣料が不足する中で、PCR 検査に努め、感染者の治療に取り組む医師や看護師たち医療従事者の献身的な姿に、自然に沸き上がった感謝の気持ちや拍手。コロナ収束と経済活性化の間で揺れ続ける政府に対して、地方自治体や医師会、大学などが声を上げ、それぞれの立場でベストを尽くすべく自主的に動き出しことにも励まされました。

コロナ禍で日本の貧富の格差も露わになりました。職を失い、食事にも事欠く失業者や母子家庭の人々、アルバイト先がなくなった外国人労働者、留学生らに各種の組織や商店、個人らが知恵と力を出し合って、炊き出しをし、弁当を届け、笑顔を引き出していました。

私たちは太陽のエネルギーと地球の恵みの下で生きているのに、地球の空気や水を汚し、多種多様な生物の生存域を奪いながら、これまでの生き方を続けていてよいのか。コロナ禍の新年に、SDGsは改めて鋭くその質問を投げかけているはずです。

後藤業務執行理事より

あけましておめでとうございます、というのが決まり文句ですがコロナ過の収束が見えない中、とてもお目出たいという状況ではありません。

しかし、この状況はコロナが、元々VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)の時代ということをより鮮明にすることを加速したことにすぎません。

人類は 700 万年前に猿人として地球上に表れました。しかし、この大工業文明は約 350 年前の西欧の科学革命から発しています。実に人類史 2 万分の 1 の期間に起きたことであり、それがこのままの延長線上(BAU)では人類滅亡さえも展望され出しています。

西欧科学革命の神髄はデカルトの心身二元論(コギトー・エルゴ・スム、われ思う、故に我あり)であり、これが人間と自然を分かち、人間が自然を支配するという現代工業文明を発展させ、それが行き詰まったということです。人間と自然は一体のもの、人間は自然の中の一員という東洋、縄文、古代ケルト文明などに通底する価値を再度、前面に押し出す文明にパラダイムシフトする必要があると考えます。昨年 10 月の GCNJ オンラインシンポジウムでは JT 生命誌館名誉館長の中村桂子氏にご講演をいただき、代表質問者としてこのあたりのことを少し議論させていただきました。

経済学を含め西欧科学革命から発展した西欧科学的な論理の議論をいくらしても方向性は見えてこないと考えます。人間と自然は一体のものという前提で、歴史的洞察、哲学的洞察、真善美を考える、ということから展望が開けられると考えます。
GCNJ は昨年、ミレニアル世代、Z 世代の若者に 2050 年の社会像、企業像を議論してもらう企画を立ち上げました。若者の声を聴くことも大事だと思います。

いずれにせよ、個々人、組織のリベラル・アーツのレベルを高めるのが遠回りであっても近道のように感じます。

開催のお知らせ

PRI/GCNJ 共催セミナー (1 月 20 日 オンライン)

20 年 1 月に開催し好評いただいた PRI 様との共催セミナーを 21 年 1 月 20 日に開催いたします。 「サステナブルファイナンスの国際潮流の最新動向と予測不能な時代における企業の ESG 経営」と題し、様々な立場の登壇者の皆様にお話しいただきます。

詳しくはこちらをご覧ください

お申込みはこちらから

開催報告

WEPs ハンドブック ローンチイベント(12 月 8 日 オンライン)

WE EMPOWER Japan と GCNJ が共同で作成した WEPs ハンドブックの公開を記念し、12 月 8 日にオンラインでローンチイベントを開催いたしました。イベントでは、ハンドブック作成の経緯と内容のご紹介、日本企業の課題と変化について WE EMPOWER Japan による解説の後に、大和ハウス工業(株)様から、ハンドブックに掲載されたお取り組みについてご紹介いただき、最後に GCNJ のジェンダー平等の取り組み方針が発表されました。イベントには 158 名の方に参加いただきました。ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。

WEPs ハンドブック掲載先

第二回 GCNJ 未来への羅針盤構想(12 月 17-18 日)

GCNJ は、激動の時代に日本企業がどこを目指して進めばいいのか、その羅針盤を若者と共に考える「未来への羅針盤構想」という企画を立ち上げました。第二回が 12 月 17 日-18 日にオンライン開催されました。「2050年の社会像」と、「それを実現するためのすべきこと」を個々人が発表したのち、チームに分かれて議論を深めました。この企画で作成される「未来への羅針盤」は、2021 年 2 月上旬ごろにパブリックコメントを実施し、2021 年3 月末に完成する予定です。

事務局長からのメッセージ

年明け早々の緊急事態宣言の発出関係のニュースで、令和3年が始まりました。年初にあたり、あらため381の会員の皆様のご健康と安全を祈願いたします。私事には、初詣など恒例行事を見送ったことで、少し時間に余裕あるニューノーマルを過ごした関係で、昨年208の会員の皆様にご協力をいただきました「SDGsへの取組状況に関する実態調査」・GCNJ へのご意見などのレビューをいたしました。その一部を紹介しますと、GCNJの活動に対する満足度(とても/ある程度満足)は、97%と非常に高いのですが、「とても満足」のトップボックスは、29%で、まだまだ活動のアップグレイド余地が充分に大きいことが示唆されています。また、自由回答などで、今後の GCNJ への活動参画にあたり皆様が重視されていることを、私見を交えハイライトしますと:1.国際潮流を含めた世の中の「俯瞰」をファクトベースで行う。2.SDGs・社会課題解決のための「実装」。特に分科会での「対話」通し、ヒントやきっかけを掴むことを含めて。 3.「コレクティブインパクト(従来発想では無かった連携活動)」の創出。などです。3.コレクティブインパクトについては、今後、国連グローバル・コンパクトが打ち出す基本戦略の根幹に位置づけされます。今日、国連グローバル・コンパクトは、The world’s largest sustainability initiative として、世界の署名・加盟企業/団体は、16,000を超え、日々の拡大をしています。[ 尚、「SDGs への取組状況に関する実態調査」の報告書は、本年3月にリリースの予定です。]

特に、本年は、気候変動・ESG関連では、昨年10月・菅総理の「2050 年に温室効果ガス排出ゼロ宣言」に続き、エネルギー、気候変動政策見直し、脱炭素技術開発の加速、第6次エネルギー基本計画の見直しが始まり、11月のCOP26を迎えます。2050 年ネットゼロ宣言は既に当たり前で、グリーンリカバリー政策・プラスチック廃棄物税/国境炭素税の導入議論で先行するEU、バイデン政権誕生・パリ協定復帰の米国、2060 年ネットゼロ目標の中国などの動きで、世界は大きく動きます。また、本年3回に分けての公表とされる「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)・第6次評価報告書」では、気候変動問題に派生する、人権・貧困・格差・生活域のレジリエンスの問題までスコープされることが期待されています。気候変動とコロナ禍が重なり、脆弱な地域や人々を襲う悲劇に、社会は目を背けることはできません。

世界は、2030 Agenda(SDGs)「行動の10年」がスタートし、GCNJ には、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」からなる国連グローバル・コンパクト10原則を基本理念に抱いた会員連携、すなわち「志ある企業・団体、志ある実務家」のプラットフォームとしての、実効ある輪と絆をさらに充実をしてまいります。複雑・多様で、かつ急激な変化が生むダイナミズムの渦中にある地球規模課題に、皆様と果敢にタックルすることで、「未来への羅針盤」をご一緒に考案して行きたいと思っております。2021年も、GCNJ へのご指導とご支援を宜しくお願いを申し上げます。

(事務局長 大場恒雄)