

組織概要
代表理事メッセージ

1977年4月 キリンビール株式会社入社。サンミゲル社(フィリピン)取締役、キリンビール/キリンホールディングス経営企画部長を経て、2009年常務執行役員経営企画部長、2012年キリンビール代表取締役社長、2015年キリンホールディングス代表取締役社長、2024年年同社代表取締役会長CEO最高経営責任者(現任)。
2008年より長きにわたりグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)を牽引されてきた有馬利男さんからバトンを受け、このたび私、磯崎功典が代表理事を務めることとなりました。
GCNJは2003年の発足以来、国連グローバル・コンパクトが掲げる「環境・人権・労働・腐敗防止」の4分野10原則に賛同する企業と共に、活動の輪を広げてきました。2015年に持続可能な開発目標(SDGs)が策定されて以降は、サステナビリティに真摯に取り組む企業数が飛躍的に増加し、現在では約650の企業・団体が会員として参加しています。
一方で、気候変動による影響は一段と深刻化し、世界中の人々の暮らしを脅かし続けています。人権・労働問題も複雑化が進み、世界ではサプライチェーンにおける児童労働や強制労働、労働安全の確保、国内では長時間労働やハラスメントなどの労働環境が依然として大きな問題です。さらに、米国政権下での反DEI(多様性・公平性・包括性)の動きも注視すべき国際的課題であります。SDGsの達成期限である2030年まであと5年に迫っていますが、多様な課題が依然として山積しています。
また、日本を取り巻くビジネス環境も大きく変化しています。環境規制の強化に伴う脱炭素対応、サプライチェーンにおける人権尊重義務の拡大、急速なデジタル化に伴うデータ保護規制の強化などが企業に新たな対応を求めています。加えて、貿易摩擦や地政学的リスクの高まりが国際経済の先行きを不透明にし、不確実性を増しています。
こうした状況下で、企業が長期的な視点を持ち、地球環境や社会課題の解決に取り組むことは、単なるリスクマネジメントにとどまらず、持続的な成長を遂げるための経営戦略そのものだと考えています。そして、このような課題はひとつの企業だけでは解決できません。同じ志を持つ企業が連携し、GCNJという共創のエコシステムを活用することで、より大きな社会的インパクトを生み出すことが可能になるのです。
2000年に国連グローバル・コンパクトが誕生して今年で25周年となります。国連グローバル・コンパクトを提唱したコフィー・アナン事務総長(当時)は、「民間企業の創造力を結集し、弱い立場にある人々の願いや未来世代の必要に応えていこう」と呼びかけました。私たちはその精神を受け継ぎ、GCNJ会員の皆様と共に持続可能な社会実現に向けて邁進してまいります。
2025年6月
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
代表理事 磯崎 功典