

代表理事メッセージ
「先の見えない時代に」

みなさま、新年明けましておめでとうございます。天候にも恵まれ、みなさま、良いお正月を迎えられたことと存じます。お陰様で、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)は順調な足取りで新年を迎えることができました。みなさまのご支援に対し心より感謝し、御礼を申しあげますと共に謹んで新年のご挨拶を申しあげます、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年は、多くの予想外のことが起こりました。日本政治の腐敗と混乱から少数与党化へ、隣国の大統領による戒厳令騒動、中東のアサド政権の崩壊など、突発事変の続発は、正に先の見えない状況でした。ビジネスでは、日本を代表する企業の大規模M&A、特に新年早々訴訟に至ったUSスチールの案件も先が見えません。これからのトランプ政権が「先が見えない」ことの本番と言えますが、すでに名前の挙がった高官や閣僚候補者の顔ぶれに世界中が身構えています。何が起こるか、一つ確かなことは、既存の価値観とは大きく異なる政策に、日本を含め世界が対応しなければならないと言うことですが、これは「先の見えない世界がくっきりと予見できる」と言う奇妙な感覚です。
このような「変化が激しく先が見えない」状況では「目的と本質」を見据えてブレないことが重要と言われます。企業なら「自社のパーパス」と「企業理念」を見据えること、GCNJにとっては、創設の理念である「GC10原則」と「GCNJパーパス」です。現在、GCNJには理念に賛同する約650の企業・組織が加盟していますが、その代表的な活動の一つが分科会で、現在、15の分科会に約4300人が参加しています。もう一つは、若手経営者を育成するAKK(明日の経営を考える会)です。17年目の今年、AKK修了者による、AKK N/W(ネットワーク)の参加者は300名を超えます。この二つのプログラムが目指す、サステナビリティのベクトルは主に企業内部に向かっていますが、現在、それに加えて「サステナブルな社会の構築」に向けてステークホルダーに働きかける、外向きのベクトルを持つ「戦略アクション」を検討しています。先の見えない時代、2025年は企業や組織、そして、GCNJにとりましてもチャンスに向かって一歩を踏み出す、重要な年になりそうです。みなさまのご支援ご協力をお願いいたします。
改めまして、2025年がみなさまにとって更に良い年でありますよう祈念いたします。
2025年1月
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
代表理事 有馬利男