ニュース 2024年
「ビジネスと人権アクセラレーター」日本版が開講
更新日:グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)では、会員企業への価値提供の一つとして、ビジネスと人権分野でのアクセラレーターの日本版を6月4日から初めて実施
国連グローバル・コンパクトでは、会員企業への価値提供として、国連グローバル・コンパクト・アカデミー(Academy *1)や、アクセラレーターといった学びの機会をご用意しております。
アクセラレーターは、会員企業の皆様がグローバル・コンパクト4分野10原則を実践するにあたり、必要な知識やスキルを取得し、より野心的な目標を策定し、行動できるよう支援することを目的としたプログラムです。
現在、5つのテーマ(*2)で国連グローバル・コンパクトが提供するアクセラレーターは、オンデマンド自主学習(eラーニング)や、専門ファシリテーターからeラーニングの内容をより詳しく聞ける解説セッション、参加企業同士のピア・ラーニング等で構成される自習とグループ学習を組み合わせたプログラムですが、言語の壁があり、日本企業の参加は少数に留まっているのが現状でした。
そこで、GCNJでは昨年初めて日本語にて「野心的気候変動対策アクセラレーター」を開講しましたが、この度、会員企業13社参加のもとビジネスと人権分野についても日本版を日本語で正式に開講する運びとなりました。
なぜ、企業は「ビジネスと人権」に取り組まなければならないのか
報道機関、従業員、消費者、顧客、取引先、NGO、投資家は、企業が人権に与える影響に、昨今ますます関心を寄せるようになっています。これを受けて、責任ある企業は、自社のレピュテーションを維持しながら、人権をさらに尊重し、人権への負の影響を防止する方法を模索しています。
ビジネスと人権アクセラレーターは、国連グローバル・コンパクトの会員企業が、業種や地域を超え、人権および労働に関する権利について、コミットメントから行動へと移行するための、6か月間の学習プログラムです。ビジネスと人権アクセラレーターは、人権への顕著な影響を特定し、継続的なデュー・ディリジェンス・プロセスを確立し、実行可能な計画を策定することで、企業が人権への取組みを前進させるのを後押しします。
ビジネスと人権アクセラレーター 日本版プログラムの特徴
国連グローバル・コンパクトに署名した会員企業のみが参加可能な「ビジネスと人権アクセラレーター」は、国際的な非営利団体、Shiftが、国連グローバル・コンパクトと共にコンテンツを開発・監修するプログラムです。故ジョン・ラギー氏が「国連ビジネスと人権に関する指導原則」をまとめ上げる際に、その右腕として貢献した2名により創設されたShiftは、ラギー氏もその初代理事長を務めました。以来、専門家集団として指導原則に関する助言・啓発等を行っています。
2023年7月に閉講した同アクセラレーター第1期では、世界57カ国から会員企業665社、計1,371名が受講しました。第2期となる今回より、新たに日本版が加わります。
内容は、世界各地にカントリー・ネットワークを有する国連グローバル・コンパクトならではの、国際的な視点を踏まえたものとなっており、世界共通のプログラムを日本語で学ぶことができます。さらに、日本版アクセラレーターでは、日本のビジネスと人権の専門家数名も、講師として参画します。
また、アクセラレーター修了のために必須となるeラーニング・コース「ビジネスと人権 ~企業が国連指導原則を実践するには~」日本語版は、まず26名の参加者に先行して公開され、今後、非会員を含めた一般の皆様にもアクセスいただけるようになる予定です。
GCNJでは、こうしたラーニング機会の提供等を通じ、企業によるビジネスと人権尊重の取り組みへのサポートを一層強化してまいります。
*1 国連グローバル・コンパクト会員企業の従業員であれば、誰でも登録し活用できる、コーポレート・サステナビリティに関するeラーニング・プラットフォームです。
*2 ビジネスと人権、野心的気候変動対策、SDGアンビション、若手SDGイノベーション、ジェンダー平等に照準を(TGE)