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ニュース 2025年

国連グローバル・コンパクトおよびアクセンチュアによるCEO調査報告書2025刊行

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10人中9人のCEOがサステナビリティの価値が増強していると認識し、ほぼ全員がコミットメントの維持・拡大を計画している:国連グローバル・コンパクトおよびアクセンチュアによるCEO調査報告書2025刊行

「CEOは企業戦略と企業文化にサステナビリティを実践的に組み込み実行する新たな時代を提唱(96%)する一方、技術とコミュニケーションにおける能力格差を警告している。」

国連グローバル・コンパクトとアクセンチュアによるCEO調査報告書2025によると、CEOはサステナビリティにおいて「野心」から「実践」へと移行しており、ほぼ全員(99%)がコミットメントを維持または拡大する意向を示しています。インフレ、貿易、気候変動といった主要な地球規模課題への自社の準備が十分にできていると感じているCEOはわずか15%未満である一方、CEOの大半(88%)は、サステナビリティのビジネスケースが5年前よりも強固になったと述べています。

「Turning the Key: Unlocking the Next Era of Sustainability Leadership(Turning the Key:サステナビリティ・リーダーシップ新時代への扉を開く)」と題された本報告書は、2024年というパリ協定の1.5℃目標超過が初めて観測された暦年を経た、重要な時期に発表されました。国連グローバル・コンパクト創設25周年に公表された本報告書は、CEOのサステナビリティに対する意識を長期的に捉えた、最も包括的な分析の一つとなります。

調査結果について、国連グローバル・コンパクトのサンダ・オジャンボCEO兼事務局長は次のようにコメントしています:「CEOたちの見解は極めて明確です。サステナビリティは道徳的な義務からビジネスの根幹になっています。本調査は、規制当局と連携し、急速に高まる消費者の期待に応え、技術とスキルに投資し、進捗を信頼性をもって伝えるといった実践的なCEOの行動指針を提供します。世界が1.5℃の閾値を超え、年間4.3兆ドルのSDG資金ギャップにより34億人が医療や教育よりも利子支払いに多く費やす中、民間企業はサステナビリティを企業戦略と企業文化に組み込み、バリューチェーン全体でイノベーションを拡大し、長期的なビジネス価値を評価するルール形成に向けて協力することで、実行ギャップを埋める必要があります。これらの知見に基づいて行動する企業は、レジリエンスを構築し、成長を解き放ち、産業を発展させ、経済を活性化し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を加速させるでしょう。」

2025年CEO調査報告書は、勢いを加速させるための5つの「鍵」として、規制における協働、消費者需要の活用、技術へのアクセス拡大、未来に向けたスキル向上、そして信頼性と目的意識によるリーダーシップを示しました。CEOは既に規制強化の未来を見据え、92%が強力なグローバル・ガバナンスと統一された政策を、重要または極めて重要と回答し、95%が規制順守を組織の最優先課題と報告し、84%が今後のサステナビリティ規制に自社が対応可能であると確信しています。

同時に、CEOは政府・自社従業員・投資家だけでなく、消費者需要の影響力も強く感じ始めています。98%が「民間企業は持続可能な製品・サービスで進歩を牽引できる」と回答し、96%のCEOがサステナビリティを企業ビジョンと企業文化に組み込むよう後継者に助言しています。しかしながら、特にバリューチェーン全体のサステナビリティ・パフォーマンスを追跡・測定するデジタルツールなどについては、依然としてギャップが存在しており、高まる需要への対応が制限される可能性もあります。

さらに本報告書は、将来を見据えたリスク対応能力の礎となるガバナンスと技術ベースのスキル獲得も遅れていることを明らかにしています。シナリオプランニング専門チームを保有していると報告したCEOは4人に1人(26%)に留まり、主要なマクロ経済・サステナビリティ課題へ十分な準備ができていると感じているCEOはさらに少なく(15%未満)なっています。 また、CEOの96%が「イノベーションと技術はグローバルなサステナビリティ目標達成に不可欠」と認識している一方で、サステナビリティの追跡・測定にデジタルツールを活用することを検討しているのは27%に留まっています。

アクセンチュアのステファニー・ジャミソン氏(Global Resources Industry Practice Chair and Global Sustainability Services Lead)は次のように述べています:「経営陣は、サステナビリティ目標達成に技術、データ、そしてAIが重要であることを理解していますが、野心を実行に移すには依然ギャップが存在しています。」 「業界や地域を問わず、私どものクライアントは孤立したプロジェクトより、学びを蓄積し、成果を加速し、コストを削減する多世代にわたるアプローチの採用を希望するようになりました。これは、サステナビリティへの取り組みと、後付けではなく組み込まれた大胆なAI駆動型再構築を組み合わせた成長の青写真となり得ます。」

CEO調査プログラムについて

国連グローバル・コンパクトとアクセンチュアが共同で開発したCEO調査プログラムは、サステナビリティに関するCEOの意識を調査する世界最大規模の研究の一つ。国連グローバル・コンパクト署名企業のCEO、会長、社長ら約2,000名を対象とした定量評価と、個別インタビューを通じて得られた見解を統合し、サステナビリティ分野における主要な進展と新たな潮流を分析している。CEO調査報告書は、国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成加速を目指す、企業のサステナビリティ運動の進展を包括的に検証したものです。

国連グローバル・コンパクトについて

国連グローバル・コンパクトが目指すのは、10原則を支持し、SDGsに貢献する企業のグローバルなコレクティブ・インパクトを、説明責任を果たす企業および変革を可能にするエコシステムを通じ、加速、拡大させることです。20,000社を超える企業が署名し、5つの地域ハブ、85カ国をカバーする64のカントリー・ネットワーク、さらに16カ国でネットワークを構築する9名のカントリーマネージャーを持つ国連グローバル・コンパクトは、世界最大のコーポレート・サステナビリティのイニシアチブ、One Global Compact としてより良い世界のためにビジネスを結束します。詳しくは、ソーシャル・メディアで @globalcompact をフォローするか、ウェブサイトをご覧ください。

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アクセンチュアについて

アクセンチュアは、世界有数のプロフェッショナルサービス企業です。アクセンチュアは、世界をリードする企業や、行政機関をはじめとする様々な組織の中核にデジタル技術を実装することで、組織運営を最適化し、収益を拡大させ、また市民サービスの向上にも貢献するなど、お役様に対して目に見える成果を圧倒的な規模とスピードで創出しています。アクセンチュアでは、優れた才能でイノベーションを主導する約791,000人もの社員が120カ国以上のお客様に対してサービスを提供しています。また、テクノロジーが変革の成否を分ける時代において、世界中のエコシステムパートナーとの緊密な連携を図りつつ、クラウド、データ、AIおよび業界ごとの比類なき知見、専門知識や、グローバル規模のデリバリー能力を最適に組み合わせながらお客様の変革を支えています。テクノロジー、オペレーションズ、インダストリーX、ソングの領域をまたぐ、幅広いサービス、ソリューションやアセットを活用し、成功を分かち合う文化や360度でお客様の価値創造を図ることで、成果につなげています。

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■ このニュース記事は、国連グローバル・コンパクトのリリースの日本語版です。

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