国連グローバル・コンパクト Monthly Bulletin （和訳版） 2023年5月号

国連グローバル・コンパクトはこのたび、公正な移行と再生可能エネルギーに関する報告書を発行しました。その中で、誰一人取り残さないようにしつつ、化石燃料の使用から企業や政府が脱却するためのガイダンスを提示しています。また、政策に影響力を及ぼすための提言を盛り込むとともに、ベストプラクティスも紹介。サンダ・オジャンボ国連グローバル・コンパクト事務局長兼CEOは「今回の報告書は、再生可能エネルギーへの公正な移行を加速し、持続可能な経済とエネルギー産業の多角化を推進するためのアクションを示すもの」と述べています。

国連グローバル・コンパクト、中小企業を支援

国連グローバル・コンパクトでは、中小企業（SMEs）向けの学習機会として「中小企業から大きなインパクトを ～サステナビリティとビジネス成長のための6つのステップ」を提供します。ぜひご活用ください。オンデマンドのコース（国連GCアカデミー上で受講可能）と交流セッション（GCNJ注：日本企業も登壇予定）、ツールキットはいずれも無料です。（英語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語およびアラビア語）

企業が労働者の賃金を評価するための新たな生活賃金分析ツールが利用可能に

国連グローバル・コンパクトでは、企業が労働者や家族、地域社会に生活賃金を提供できているか確認するのを支援すべく、外部に知られることなく無料で使えるツールを開発。この「生活賃金分析ツール」（英語）は、企業が自社およびサプライチェーンにおける進捗状況を把握し、リソースを活用する機会を提供します。

マニラの海運会議で、海事セクターの公正な移行が議題に

5月中旬、フィリピンで開催された会議「アジア太平洋におけるグリーン海運の好機を捉える（Seizing opportunities for green shipping in Asia and the Pacific）」では、海運業の脱炭素化と海事セクターの公正な移行に関する進捗に焦点が当てられました。国連グローバル・コンパクトは2021年、国際海運会議所（ICS）、国際運輸労連（ITF）、国際労働機関（ILO）、国際海事機関（IMO）とともに 「海事セクターの公正な移行タスクフォース」を設置しています。

【イタリア】 生物多様性保全への取り組みに協力

生態系の3分の2が危機に瀕していることを示すデータもあるイタリアで、、グローバル・コンパクト・ネットワーク・イタリアがカリプロ財団との連携により、生物多様性保全への協調的な取り組みに会員企業を動員。このイニシアチブでは、植林活動から生息地の回復に至るまで、多岐にわたる取り組みを行っています。

【ウクライナ】 2022年のノーベル受賞者、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ウクライナに参画

2022年にノーベル平和賞を受賞したウクライナの「市民自由センター」で所長を務め、人権問題を専門とする弁護士、オレクサンドラ・マトイチュク氏が、ローカル・ネットワーク・ウクライナの人権大使に就任。マトイチュク氏は、ロシアのウクライナ侵攻から1年が経つ中で「ウクライナ企業が人権の価値枠組みを支持する姿勢を示すことは…極めて重要」と語っています。

あなたの国でネットワークを見つけましょう

ローカル・ネットワークは、企業が各国の事情・背景の中で責任あるビジネスとは何かを理解することを支援し、草の根レベルで企業のサステナビリティを推進します。

水レジリエンス連合に加盟を

水レジリエンス連合は、産業界が中心となり、コレクティブ・アクションを通じて世界の淡水資源の保全を目指す、CEO主導型のイニシアチブです。

今月のおすすめ：

腐敗がビジネスに及ぼすリスクの軽減に関する深堀りライブ・セッションが開催されます。ぜひご参加ください。

6月8日の「世界海洋デー」にちなみ、海のサステナビリティ確保のためにどのようなアクションが取れるかを学びましょう。

6月5日の「世界環境デー」には、環境のサステナビリティについてアカデミーが作成した教材の活用をご検討ください。

国連グローバル・コンパクトに、新たに362社の企業と、企業以外の15のステークホルダーが加わりました。

先月中に加入した企業のうち、（従業員数で）最も規模が大きい企業は以下のとおりです。

•Emerson Electric co.（米国）
•Emirates（アラブ首長国連邦）
•Dnata（アラブ首長国連邦）
•綜合警備保障株式会社（ALSOK）（日本）
•Epicentr K（ウクライナ）
•McDonald's Polska Sp. z o.o.（ポーランド）
•日立建機株式会社（日本）
•Ant Group（中国）
•SBSホールディングス株式会社（日本）
•Lupin Limited（インド）

ボン気候変動会議 | 2023年6月6日 | ボン（ドイツ）（GCNJ注：終了しました）

国連グローバル・コンパクトは6月、ボン気候変動会議で公式サイドイベントを共催します。対面での参加は限られているものの、このイベントは国連気候変動枠組条約（UNFCCC）のYouTubeチャンネルでライブ配信されます。

オスロSDG投資フォーラム | 2023年6月6日 | オスロ（ノルウェー）（GCNJ注：終了しました）

「SDGsのためのCFO連合」は、招待者限定の無料イベントとして「オスロSDG投資フォーラム」を開催します。この地域イベントでは、CFO連合の欧州メンバーによるSDGs達成に向けた投資と資金調達に焦点を当てるほか、新たな規制やEUタクソノミーにも触れる予定です。

SDGビジネス・フォーラム | 2023年7月18日 | ニューヨーク

持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム（HLPF）会期中に併催される「2023年SDGビジネス・フォーラム」は、2030年までに持続可能な開発を加速することを目指し、官民対話の促進、新規パートナーシップの育成、革新的なビジネス・ソリューションを探求する独自のマルチ・ステークホルダー型プラットフォームです。

リーダーズ・サミット | 2023年9月19日 | ニューヨーク

国連グローバル・コンパクト・リーダーズ・サミットの日程が決まりました。持続可能な開発目標（SDGs）の達成に向けた民間セクターの貢献の棚卸を、今年は対面で行います。

国連グローバル・コンパクトとは、各地の企業が、その事業や戦略を、人権、労働、環境、腐敗防止の分野にわたる10原則に沿ったものとし、SDGsに貢献する行動をとるための、国連事務総長の特別イニシアチブです。162を超える国々で、18,000以上の企業及び3,800以上の非営利団体が署名し、65のローカル・ネットワークを持つ、世界最大のコーポレート・サステナビリティ・イニシアチブです。